アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は子供から大人まで様々な時期に起こります。治療ではかゆみのコントロールと皮膚炎を治めることが大切です。アトピー皮膚は乾燥しやすく(ドライスキン)、バリア機能が弱いので、皮膚の状態に合わせたスキンケアをしましょう。

 

 

こどものアトピー
おやごさんは子育てに加え、皮膚のケアもしなければならないのは、とても大変です。なるべくシンプルなケアでかゆみと皮膚炎をコントロールできるようにしましょう。とくにお母さんがゆったりした気分でいられるのが何よりの薬です。一緒に対策を考えましょう。

かゆみと皮膚のケア
ステロイド外用薬は治療の柱です。ご自身が使用するステロイド外用薬についてよく知り、使いこなすことが大切です。そのために、なるべく少ない種類でケアできるようにしましょう。また、ステロイド外用薬とは異なる、プロトピック®軟膏やコレクチム®軟膏といった、炎症をおさめる塗り薬もあります。一人一人に合った使い方をしましょう。

抗アレルギー薬はかゆみに対して効果的です。患部を冷やすなどのかゆみ対策も併せて行いましょう。

こころのケア
大人のアトピー性皮膚炎はしばしばストレスで悪化します。ストレスがかかると、いらいらしたり、あせったりでついつい皮膚を掻いてしまうことがありませんか?夜更かしや食生活の乱れも疲労が取れず悪化の原因になります。
行動を変えるためのアプローチでストレスにうまく対応できるようになると、皮膚炎の悪化を防ぐことができます。ストレスへの対策や、掻破行動(搔く、たたく、こする、など)を減らす工夫を一緒に考えていきましょう。ご自身で記録していただく「スクラッチ日記」はとても効果的です。

スキンケアとメイク
乾燥しやすく、バリア機能の弱い皮膚に洗いすぎは禁物です。皮膚をいたわるスキンケアをお勧めします。

皮膚炎が落ち着いていればメイクも可能です。あきらめないでケアしましょう。

そのほかの治療
エキシマ光線療法:紫外線による治療です。薬物療法と併用して、行う治療で患部のかゆみを和らげるのに効果的です。アトピー性皮膚炎の場合、健康保険での治療ができます。
シクロスポリン症状が強い時には、一時的にシクロスポリンの内服治療を行うこともできますので、ご相談ください。シクロスポリンでの治療中は定期的に血液検査が必要になります。
デュピクセント®ステロイド外用薬などの治療でも十分に良くならず、症状が強い場合に使うことができる注射薬です。いくつか注意点がありますので、診察の際に相談して、使用するかどうかを考えます。

*JAK阻害薬の内服治療は当院では対応していません。

治療の指標となる検査
見た目の皮膚の状態に加え、血清TARC値などの血液検査を行い、皮膚炎の程度を判断します。定期的に実施することで、その推移をみることができます。

アレルギー関連の検査としては、血清IgE値と特異IgE抗体検査があります。特異IgE抗体にはハウスダスト、ダニ、などがあります。