ニキビ


 二人に一人が一度は悩むと言われるニキビ。皮膚のトラブルとしてはかなり身近なものですが、ニキビの症状の強い場合はもちろん、軽いニキビであっても、できるだけ早期に適切な治療を開始することが大切です。
 当クリニックの皮膚科では、患者さんのニキビの状態に合わせて、治療方法を選択し、QOLに配慮した診療を行っています。

ニキビの治療薬
 この10年、新しいニキビ治療薬(塗り薬)が使用できるようになり、ニキビを効果的に治療できるようになりました。
 ニキビは面ぽう(白ニキビ、黒ニキビ)から始まり、赤く炎症を起こした丘疹、膿みをもった膿疱を生じてきます。背中や胸にもできますが、顔にできることが多いので、少しのニキビでも、とても気になるものです。
 以前は、ニキビの始まりである面ぽうの治療薬がありませんでしたが、この10年ほどの間に、アダパレンというお薬が登場し、面ぽうを治療できるようになりました。さらにその後登場した過酸化ベンゾイルの外用薬は、面ぽうだけでなく炎症をおこしたニキビにも効果があるので、以前のように抗菌薬(化膿止め)だけに頼らなくてもよくなりました。日本皮膚科学会はニキビの治療ガイドライン(最新版は2017年版)を定めていますが、そこでは抗菌薬は最初の炎症のある時期だけ用いて、その後は、アダパレンや過酸化ベンゾイルで維持していくという治療が推奨されています。
 アダパレンや過酸化ベンゾイルには、特に使用開始の初期に独特の皮膚刺激症状(赤み、かゆみ、かさつき、など)を生じることがあるので、お薬の特徴をよく理解して使用することが大切です。このような皮膚刺激症状をおだやかにするため、保湿性のあるスキンケア製品を併せて使用することもあります。


スキンケアとメイク
洗顔:ニキビは皮脂汚れが毛穴につまっているせいと思い、ごしごし洗う人もいますが、これは禁物です。洗顔料はよく泡立てて、肌になじませ、軽くすすぎましょう。

保湿:ニキビ肌に保湿のし過ぎは禁物ですが、ニキビの外用薬の皮膚刺激症状を減らし、ニキビの治療を継続していくためには、保湿性のあるスキンケア用品を選び、上手に使用していくことが大切です。当クリニックの皮膚科では、スキンケア製品の選び方などもアドバイスしています。

メイク:ニキビがあると、メイクができないとあきらめていませんか?ニキビは患者さんのクオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)に深刻な影響を与えることがわかっています。メイクをすることでQOLは改善し、ニキビも悪化しないという報告もあります。大事なのはメイクの仕方です。ニキビのできやすいところは薄化粧で、ポイントメイクを上手に取り入れるとよいでしょう。

ニキビとストレス
 大人のニキビの場合、ストレスがきっかけで悪化する場合は少なくありません。また、忙しい毎日で、生活習慣が乱れている人もしばしばです。睡眠や休養はニキビの治療のためにも、自分自身のためにもとても大切なものです。睡眠を充分とることを意識すると、食事や休養、運動など、そのほか生活習慣もよい方向に変化していくことが多いのです。
 また、ニキビができると気になって触ってしまったり、早く治したいからとつぶしてしまったりするのは逆効果です。炎症が長引き、ニキビ痕を残す原因になります。



(檜垣祐子)